ダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤について復習

薬局の仕事のはなし

何度覚えても忘れてしまうダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤の順序

ダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤、どっちが先でどっちが後だっけ?

油脂性基剤と水溶性基剤の坐薬があることは覚えてる、結局どっちがどっちだっけ!?

結論:ダイアップ坐剤→(30分以上あけて)→アンヒバ坐剤が正しい順番です。

水溶性基剤のダイアップ坐剤が先→油脂性基剤のアンヒバ坐剤が後 となります。

小児の処方せん受付で何度も出くわすこの坐薬の順番、なぜか何度も忘れてしまうことありませんか?「そんな基本中の基本のこと、完璧に覚えてるよ~」という方が大半だと思います…。ですが私は何度覚えても久しぶりに出くわすたびにあれ?どっちだっけ?って落ち込んでしまいます…。

そこで私なりに、忘れにくくするために理解して覚えるようまとめてみます!!

坐薬の分類:水溶性基剤と油脂性基剤について

坐薬の分類として、水溶性基剤と油性性基剤の分類があります。

水溶性基剤の坐薬と油脂性基剤の坐薬を同時に使う場合の順番は、

水溶性基剤油脂性基剤 の順番となります。

油脂性基剤の坐薬を先に入れると油膜が張られてしまい、その後水溶性の坐薬を入れると溶解が抑えられてしまい、速く効かなくなってしまいます。

これは「油の膜が張られると水が溶けられない」と、なんとなくイメージはつきますので覚えられそうです。

保存の違いとしては、

水溶性基剤の坐薬→室温保存OK 

油脂性基剤の坐薬→冷所保存必要  と分かれます。

覚えやすくするために、❝油脂=バターは暑い所に置いていると溶けてしまう、水は暑い時でも姿かたちはそのまま❞というイメージに当てはめて覚えています。

●水溶性基剤と油脂性基剤の坐薬の入れる順番

●水溶性基剤と油脂性基剤の坐薬の保存方法の違い  

までは復習できました。

でもここまでわかっていても、いざ「ダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤問題」遭遇すると、なんかわからなくなってしまうんですよね。

なんでかというと、

ダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤、どっちが水溶性でどっちが油脂性なんだっけ???

ていう部分をいつも覚えきれてないから、なんですよね…。

ここさえ理解して覚えてクリアすれば、今後どたん場で苦労することはない!!

ということで水溶性基剤と油脂性基剤の分類を、保存方法の違いも利用しながら理解して覚えていきたいと思います。

ダイアップとアンヒバ、どっちが水溶性でどっちが油脂性?

結論、ダイアップ坐剤→水溶性基剤  アンヒバ坐剤→油脂性基剤です。

これをいっつも忘れてしまうのですが現場の日常記憶と保存方法とを絡めて覚えなおしてみます。先ほどの復習です。

水溶性基剤の坐薬→室温保存OK

油脂性基剤の坐薬→冷所保存必要  となりますね。

水溶性基剤の坐薬は室温で保管しているもの、油脂性基剤の坐薬は室温で保管しているもの。

現場の日常記憶と照らし合わせると、                             ダイアップ坐剤は冷蔵庫には入れず室温保存。(向精神薬の場所に保管しています)            アンヒバ坐剤は冷所保存。いつも冷蔵庫から出してピッキングしている。

ダイアップ坐剤が室温保存できるのは基剤が水溶性だからだな。(水は高温でも姿を変えないな…) 

アンヒバ坐剤が冷所保存なのは基剤が油脂性だからだな。(バターのような油脂性基剤は高温に置いておくと基剤が溶けてしまうな…)

と、理解しながら記憶を定着できそうです。実際の場面での頭の中では、

「アンヒバ坐剤とダイアップ坐剤が同時処方された」

「坐薬は水溶性基剤→油脂性基剤の順に入れないといけない。なぜなら先に油脂性を入れると油膜が張って水溶性の効き目を阻害してしまうから。」

「ええと、ダイアップとアンヒバ、どっちが水溶性でどっちが油脂性かというと…、ダイアップが水溶性でアンヒバが油脂性だ」 

「水溶性基剤は室温保存OK。室温保存しているのはダイアップ坐剤。いつも冷蔵庫ではなく向精神薬の場所に保管しているぞ。油脂性基剤はバターのように高温に置いておくと溶けちゃうやつだったな。ということは冷所保存が必要。いつも冷蔵庫に保管しているアンヒバ坐剤が油脂性基剤。」

「ダイアップ坐剤→(30分あけて)→アンヒバ坐剤 の順番で使う が正解」

という流れになります。

現場経験がある程度長い勤務薬剤師さんなら、この覚え方はかなり有効ではないでしょうか。

「まだ現場経験浅くて坐薬がどこに保管してあるとかすぐに思いつかない!!」              「ダイアップもアンヒバも普段在庫してないから保管場所とか覚えられない!!」

という人もいるでしょう。そのために、追加の覚え方を2つ紹介します。

水溶性基剤の坐薬の方が圧倒的に少ないから、水溶性基剤の坐薬だけ覚える。          (よく出るものとしてはダイアップ坐剤とナウゼリン坐剤が水溶性。この2つ以外は油脂性と覚える)

「ダイアップ坐剤の方が重要だからダイアップが先」という覚え方もある

という2つの補足がありますので解説します。

水溶性基剤はダイアップ坐剤とナウゼリン坐剤だけ覚える!!

水溶性基剤の坐薬と油脂性基剤の坐薬、全部1個1個振り分けて覚えるのは大変だな…と思いますが、実は水溶性基剤の坐剤の方が圧倒的に少ないので、こっちだけ覚えて残りは全部油脂性基剤!という覚え方も有効ですよ。

【水溶性基剤の坐薬】                                    一般的なのはダイアップ坐剤、ナウゼリン坐剤くらい。この2つだけは水溶性基剤と覚える。残りの坐薬はほとんどが油脂性基剤となります。現場感覚がある人は「確かにダイアップもナウゼリンも室温保存の坐薬だな…アンヒバ含め坐薬の多くは冷所保存だな…」と腑に落ちると思います。現場経験が短かったりそもそもこれらの坐薬を常時在庫していない職場の人も、「水溶性基剤はダイアップとナウゼリンだけ覚える!!」と腹をくくれば(?)、だいぶ覚えやすくなります。

「ダイアップ坐剤の方が重要な意味を持つから先に入れる」の意味もある

ダイアップ坐剤→アンヒバ坐剤の順番の覚え方の補足の紹介です。

今までは基剤の特徴としてどっちが先かどっちが後か という話をしていました。

これらの内容を忙しさでなどでまるっとど忘れしてしまうときのために補足の覚え方として、

❝実際に熱性けいれんの予防のためにダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤が同時処方されるとき、解熱の目的のアンヒバ坐剤で熱を下げるよりも、けいれん予防のためのダイアップ坐剤の方が重要な意味があるから先に使う❞

というものもあります。基剤の特徴をど忘れしてしまったときの保険の覚え方として有効ではないでしょうか。

まとめ・覚え方ポイント

正しい順番

1.ダイアップ坐剤(水溶性基剤)を先に使用

2.アンヒバ坐剤(油脂性基剤)を後に使用(30分あけて)

覚え方

水溶性基剤油脂性基剤の順に使う(油脂性基剤を先に使うと油膜が張られてしまう)

ダイアップ坐剤=水溶性基剤:なぜなら室温保存してるから(水は高温でも形状変わらないイメージ)

アンヒバ坐剤=油脂性基剤:なぜなら冷所保存。(油脂性≒バターのように高温で溶けるイメージ)

覚えやすくするコツ

水溶性基剤はダイアップ坐剤とナウゼリン坐剤のみ覚える!(水溶性基剤の坐薬の数が圧倒的に少ない)

❝ダイアップ坐剤の方が重要な意味を持つので先に使用❞の覚え方もアリ。(熱性けいれんの際には解熱よりけいれん予防の方が重要)

このようにポイントを押さえてダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤の使い方の順序を忘れないようにしてみましょう。

以上、定番中の定番内容のダイアップ坐剤とアンヒバ坐剤について振り返ってみました。

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